想像してみてください。ビジネスの会食といえば、料亭の個室、高級レストランでのコース料理、あるいは静かなバーでグラスを傾ける……そんなイメージが一般的ではないでしょうか?
しかし、もし、その常識を覆し、あえて「ラーメン二郎」での接待を選んだとしたら?
ラーメン二郎に行ったことがある人も、ラーメン二郎の一般的なイメージから「まさか!?」と驚いている人も、きっと、その異色の組み合わせに興味を抱いていることでしょう。この記事では、私が実際に体験した、あるクライアントをラーメン二郎で接待したという、前代未聞(?)の会食の顛末をお話しします。
一般的な接待とは一線を画す「二郎接待」が、いかにコスパ最強で、そして記憶に残る体験を提供し得るのか。
ラーメン二郎大好きな筆者がラーメン二郎での接待に挑戦しました。
そのメリット・デメリット、そして成功の秘訣まで、余すところなくご紹介します。
「接待二郎」を敢行するに至った経緯
今回、「二郎で接待」という大胆な選択をしたクライアントは、60歳前後の小柄な女医さんでした。
先生は、私が日頃からラーメン二郎を愛して日常的に食べているを知っており、私の体調を心から気遣ってくださっていました。私が「二郎は身体に良いので大丈夫です!」と力説しても、実際に食べたこともないものを良い悪いと判断されてしまうのはもったいないと感じていました。
そんな中、幸いにもクライアントは食べることが好きな方でした。
好奇心旺盛な方なので、「二郎を食べてみたい」となったので誘ってみると、なんと二つ返事でOKの返事が!
これは絶好の機会だと私は直感しました。
日頃からお世話になっているクライアントの素朴な要望に応え、かつ、私自身が大好きなラーメン二郎という場所で、通常ではありえない「接待」を試みる――。
そこで白羽の矢を立てたのが、私にとって最も「信頼のおける」店舗、ラーメン二郎上野毛店でした。
上野毛店は、店員さんが優しく接客が丁寧、麺半分メニューもあり、オペレーションもスムーズでカスタムの自由度も高いため、初めての二郎体験には最適だと考えたんです。定例のクライアント訪問後、そのまま二郎へ向かうという計画を立てました。
「二郎で接待」成功のための「仕込み」が重要
「二郎は二郎であって、接待ではない」――そう考える人もいるかもしれません。しかし、私は「接待」として成立させるために、いくつかの「仕込み」を周到に行いました。
最も重要だったのは、店舗への事前連絡です。
今回の接待は木曜日でしたが、その週、私はその前に3回ほどラーメン二郎上野毛店に足を運び、店員さん、そして店主様に直接お声がけし、以下のことを伝えました。
- 「本日、二郎未経験のクライアント(女性)を連れて伺います。」
- 「21時半頃までには伺います。」
- 「うまいことご配慮いただけますと幸いです。」
これらを事前に伝えることで、店側も心の準備ができ、当日のスムーズな入店や、初心者への配慮(コール時のアドバイスなど)が期待できます。特に二郎では独特のルールが存在するため、このような配慮は非常に重要なんです。
事前に良好な関係を築いておくことで、イレギュラーな事態にも対応してもらいやすくなります。
これが「接待二郎」を成功させる第一歩です。
いざ当日!奇跡の連続「上野毛ミラクル」発動
そして迎えた当日。クライアントと協力会社の方とともに、予定通り21時19分に上野毛店に到着しました。
木曜日にもかかわらず、並びは8名と比較的ゆるやかで、この時点で幸先の良いスタートでした。並んでいる間も、私はクライアントと協力会社の方に、仕事の話を交えつつ、ラーメン二郎のユニークな文化やルールについて説明し、期待感を高めました。並び時間は約15分と、予想よりも短く済みましたね。
食券購入のタイミングで、私は店員さんに改めて挨拶をし、「しっかりクライアントと来ましたよ」ということをアイコンタクトで伝えました。この細かな連携も、後のスムーズな展開に繋がったと感じています。
席に通された私たち3人。クライアントは、ラーメン二郎の独特の雰囲気と、その日初めて目の当たりにする「ルール」に、やや緊張しつつも興味津々といった様子でした。
実は先生、あまりにもラーメン二郎が初心者すぎて、「店主の名前が二郎さん」だと本気で思っていたほどなんです。そんな先生の純粋な反応に、思わず笑みがこぼれました。
さらに、この日は「上野毛ミラクル」と私が呼ぶ現象が発動しました。通常、夜遅い時間帯には売り切れていることが多い「ブタ入り」の食券が、まだ残っていたんです!これは純粋に嬉しく、この日の運の良さを感じさせました。
それぞれの注文と「二郎体験」
席に着くと、各自の食券をカウンターの上に置きます。すると、間もなく烏龍茶が提供され、私たち3人は健康的に烏龍茶で乾杯。これもまた、二郎という場所での「会食」ならではのユニークな一幕です。
注文は下記を注文しました
クライアント(女医、60歳前後、小柄): 麺半分、ニンニク + 烏龍茶玉子(計900円)
クライアントには、事前に「麺は半分にしましょうか?」と提案し、快諾いただきました。二郎初体験の女性にとって、麺半分は必須の選択です。コールは、先生自身が興味を持った「ニンニク」を少量だけ入れてもらうことにしました。烏龍茶玉子は、二郎の油っぽさを和らげるのに役立ちます。
協力会社の方: 小 → 全マシ + 烏龍茶玉子(計950円)
彼は過去に私とラーメン二郎上野毛店に何度か行ったことがあったので、いつものように思う存分「全マシ」に挑戦。頼もしい限りです。
私: 小少なめブタ、アブラ + 烏龍茶玉子W(計1100円)
私は、食べ慣れている少なめブタを選択。接待相手に迷惑をかけないよう、コールは「アブラ」のみに抑え、食べ終えるスピードも意識しました。烏龍茶、玉子Wは、猫舌対策、二郎の濃厚な味わいを引き立てます。
提供されたラーメンは、どれも完璧な「二郎」。特に、クライアントの「麺半分」の丼は、見た目も美しく、女性でも食べやすい量に調整されていました。これも事前の仕込みと店主様のご配慮のおかげでしょう。
クライアントは、最初こそ戸惑いの表情を見せていましたが、一口食べるとその美味しさに驚きを隠せない様子でした。独特の太麺、濃厚なスープ、そしてとろけるような豚――。
私も含め、皆が黙々と、しかし満面の笑みで二郎を堪能しました。
実際ラーメン二郎上野毛店での二郎接待の画面がこちら!

「二郎ルール」遵守とスマートな退店
二郎での食事は、一般的な会食とは異なり、ゆっくりと会話を楽しむ場ではありません。提供されたラーメンを速やかに、そして美味しくいただくのが基本ルールです。
私たちもそのルールを遵守し、食べ終わったら即退店しました。クライアントがまだ食事中であったとしても、決して店内に留まらず、次の客のために席を空けるのが二郎の流儀です。
食べ終えた私は、先に店の外に出て、行列の最後尾に並び直すクライアントと協力会社の方を待ちました。この「食べ終わったら即退店」の姿勢も、二郎を「接待」に使う上で非常に重要なマナーです。
食後、クライアントとともに電車に乗り、最寄り駅までお送りして、この日の「二郎接待」は無事に終了しました。
クライアントの感動と「接待二郎」の可能性
クライアントからは感動の感想をいただきました。
「二郎はブタが特に美味しいしスープも旨味がすごい!」 「スープ飲まなきゃ身体に悪くない!」
二郎の真髄であるブタの旨みとスープの奥深さをしっかりと感じ取ってくれたことに、私も喜びを感じました。そして、驚くべきことに、 「別の二郎にも行ってみたい!」 と、二郎の奥深さに興味を示してくださったんです。これは、「二郎接待」が大成功だったことを示す、何よりの証拠と言えるでしょう。
ラーメン二郎を接待や会食に使うメリット
今回の経験を通じて、「ラーメン二郎での接待・会食」には、予想以上のメリットがあることを確信しました。
- 他では味わえない唯一無二の体験: 一般的な接待で二郎を選ぶ人など、まずいません。だからこそ、相手に強烈なインパクトと、忘れられない思い出を提供できます。ありきたりな会食に飽き飽きしているクライアントには、最高のサプライズとなるでしょう。
- ワクワク感と非日常感: 予約ができないため、その日の並びや店内の状況は行ってみないと分かりません。この「何が起こるか分からない」というドキドキ感が、一種のエンターテイメントとして、会食にワクワク感をもたらします。
- 圧倒的な満足度と満腹感: 「二郎は腹ペコで行け」と言われるように、そのボリュームは折り紙付きです。お腹いっぱいになる満足感は、食事の充実度として非常に高く評価されます。
- 驚異的なコストパフォーマンス: 一人あたり1000円程度で、これだけの満足感が得られる食事は、他に類を見ません。今回の3人での会食も、わずか2950円という破格の金額で済ませることができました。一般的な接待費用の何分の一かで、記憶に残る体験を提供できるのです。
懸念点と「接待二郎」成功の秘訣
もちろん、「二郎接待」にはいくつかの懸念点も存在します。
- 相手の食べる量の把握: 初めて二郎を食べる相手の場合、どのくらいの量を食べられるか全く分かりません。麺半分や麺少なめを勧めるなど、適切なアドバイスと、時には「半分にする勇気」を持つよう促すことが重要です。
- 馴染みの店舗選び: 二郎は店舗ごとに味やルール、雰囲気、そして並びの状況が大きく異なります。特に連席の可否は店舗によって変わるため、事前に「融通の効く」馴染みの店舗を選び、可能であれば店主や店員さんと良好な関係を築いておくことが成功の鍵となります。行列が長い店や、独特のルールがある店は、初回の接待には不向きです。
まとめ:「接待二郎」はビジネスの新たな一手!
今回の経験から、私は確信しました。「ラーメン二郎を接待や会食に使うのは、大いにあり」だと。
確かに異色の選択であり、相手を選ぶ側面もあります。しかし、
- サクッと話して、サクッと食べて、サクッと終われる。
- 他では決して味わえない、強烈なインパクトと非日常体験を提供できる。
- 圧倒的なコストパフォーマンスで、満足度の高い会食を実現できる。
これらのメリットは、ビジネスにおける新たな一手となり得ます。相手の懐に飛び込み、型にはまらない形で人間関係を深めたい、そんな時に「接待二郎」は強力な武器となるでしょう。
ただし、成功させるには、相手への深い理解と、店への配慮という「仕込み」が不可欠です。それらを踏まえた上で、あなたもぜひ一度、「ラーメン二郎での接待会食」という、ユニークな挑戦をしてみてはいかがでしょうか。きっと、忘れられないビジネスストーリーが生まれるはずです。
※接待が上手くいかなくても責任は取れません。あくまで自己責任でお願いいたします。
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